特集 小児感染症の話題
1.これからのわが国の感染症サーベイランスに必要な考え方
谷口 清州
1
1独立行政法人国立病院機構三重病院小児科
pp.407-413
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003013
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今般の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるパンデミックは日本の医療・公衆衛生における課題を浮き彫りにした.その1つに国家的な対策に必要な流行状況や臨床情報がなかなか入手できず,すべてを臨床医からの手動届出に頼ったというものがある.われわれは膨大な患者を診療をしつつ,国家的な対策のための情報を夜中に入力しなければならなかった.一方,欧米の先進工業国では多くの情報が電子カルテネットより自動的に収集され学術的な論文も多数報告されていた.今後この30年の遅れを取り戻すべく,デジタルサーベイランスシステムを稼働させるべきである.
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