綜説
月経困難症
-――小児科医に知っていただきたいこと・できること
小川 真里子
1
1東京歯科大学市川総合病院産婦人科
pp.161-168
発行日 2024年2月1日
Published Date 2024/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002940
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月経困難症は,月経期間中に起こる病的症状の総称であり,機能性月経困難症と器質性月経困難症に大別される.若年女性の場合は機能性月経困難症であることが多いが,なかにはMüller管形成異常や子宮内膜症に伴う器質性月経困難症も存在するため注意が必要である.Müller管形成異常による月経血流出路閉塞には手術が必要となるが,それ以外では一般的に薬物療法が行われる.薬物療法としては,非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs),鎮痙薬,漢方薬とともに,低用量エストロゲン・プロゲスチンや黄体ホルモン製剤といったホルモン療法もよく用いられ,若年女性にも使用可能である.月経困難症は女性のQOLを低下させる代表的なcommon diseaseであり,早期からの積極的な介入が必要である.
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