今月の臨床 月経とその異常
月経異常—その鑑別と治療
30.月経困難症
武谷 雄二
1
Yuji Taketani
1
1東京大学医学部産婦人科
pp.464-466
発行日 1991年4月10日
Published Date 1991/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900390
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月経困難症の定義
月経困難症(dysmenorrhea)とは月経に伴う病的な下腹痛または腰痛をさす。大半の女性は月経期に一致した程度の差こそあれ骨盤の痛みを自覚するが,月経困難症というには疼痛軽減の目的で医学的治療を求める程度のものに限定すべきである。なお月経困難症はしばしば月経に随伴する疼痛以外のさまざまな症状,たとえば頭痛,悪心,嘔吐,下痢などを包含した症候群として広義には定義されているが,あくまでも下腹痛や腰痛など骨盤を中心とした痛みが主体となる。
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