[連載] 最近の外国業績より
新生児
日本医科大学小児科学教室
pp.1320-1323
発行日 2023年12月1日
Published Date 2023/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002799
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背 景 脳低温療法は低酸素性虚血性脳症(HIE)の治療として予後の改善に寄与してきたが,現在も約40%の症例は予後不良である.そのため特定の血清バイオマーカーによって二次性脳損傷を伴う予後不良ハイリスク群を抽出し,さらなる追加治療検討の判断材料とすることが期待されている.神経損傷の際に上昇するといわれているタウタンパク(Tau),グリア線維性酸性タンパク質(glial fibrillary acidic protein:GFAP)およびニューログラニン(NRGN)を用いた.NRGNは脳細胞に特異的に存在し,脳損傷バイオマーカーともいわれており,最近の研究でNRGN値とHIE重症度は反比例すると報告されている.筆者らは本研究で脳症における前述の3つのバイオマーカーの経時的変化に着目し,脳低温療法中のバイオマーカー値の推移と米国国立小児保健人間発達研究所(NICHD)のMRI脳損傷スコア,脳循環自動調節能の評価としてのhemoglobin volume phase index(HVP index)との関連性について調べた.
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