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出生前診断の現状と問題点
山本 俊至
1,2
1東京女子医科大学大学院医学研究科先端生命医科学系専攻遺伝子医学分野
2同大学ゲノム診療科
キーワード:
新型出生前診断(NIPT)
,
染色体異数性
,
羊水検査
,
母体血清マーカー検査
,
胎児超音波検査
Keyword:
新型出生前診断(NIPT)
,
染色体異数性
,
羊水検査
,
母体血清マーカー検査
,
胎児超音波検査
pp.838-844
発行日 2023年8月1日
Published Date 2023/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002664
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出生前診断を取り巻く現状が大きく変化してきている.その変化をもたらした大きな要因として新型出生前診断(NIPT)の普及が挙げられる.妊婦の希望に対し,NIPT実施施設の受け入れが追い付かず,非認証施設が跋扈し,なかには十分な情報提供もなく,適切な遺伝カウンセリングやフォローアップ体制もない施設もあり,トラブルの原因となっている.新たな運営委員会によるシステムでは出生前コンサルト小児科医の関与が必須となったことで,小児科医には染色体異数性をもって生まれきた子どもたちの命の尊厳を守り,その家族に寄り添うことが求められている.染色体異数性のある児は中絶されるのがあたり前という風潮が広まらないよう誠意をもって対応する必要がある.
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