[連載] 最近の外国業績より
腎・尿路
日本医科大学小児科学教室
pp.428-431
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002551
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背 景 IgA腎症は腎不全に至る疾患の1つであるが,その病因・病態はほとんどわかっていない.臨床所見より粘膜細菌叢の不適切な免疫応答がIgA腎症に関与していると考えられており,IgA腎症の発症率が高い日本では扁桃摘出術が標準治療とされている.IgA腎症では糖鎖異常IgA1(ガラクトース欠損Gd-IgA1)の分泌増加と,それによる免疫複合体形成・糸球体沈着が関与しているとされているが,その産生源については不明である.筆者らは,IgAを分泌する腸管の形質細胞が非免疫組織(脳炎モデルマウスでの脳組織)へ遊走することを報告した.このことから,粘膜面で感作された形質細胞が他臓器(腎臓)へ遊走すると想定した.
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