今月の臨床 新生児外科の最前線—産科医としての必須知識
外科治療の現況と産科医へのアドバイス
3.腹・背部疾患
5)腎・尿路疾患
島田 憲次
1
,
細川 尚三
1
,
松本 富美
1
1大阪府立母子保健総合医療センター泌尿器科
pp.281-283
発行日 2000年3月10日
Published Date 2000/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903963
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胎児水腎症に対する治療の時期
「水腎症」という診断名がつく胎児の尿路拡張は全妊娠の約1%にみられるが,その多くは一過性あるいは生理的な上部尿路の拡張であり,臨床的に問題となるのはその約1/5程度と考えられている1).われわれは産科医と話し合う機会が多いが,そのとき話題となるのは,腎尿路異常の出生前診断に何を望むのかという点である.ひとくちに腎尿路異常と言っても疾患の重篤度には大きな差があるため,正確な診断がわかればそれにこしたことはないが,何よりも知りたいのは満期になるまで妊娠を継続させてもよいのか,早期に出産させ治療を加えるのか,あるいは胎児治療を試みるのか,という問題に集約される.
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