今月の主題 アレルギー疾患診療の実際
治療の実際
昆虫アレルギー
木野 稔也
1
1京都大学胸部疾患研究所・検査部(内科2)
pp.350-352
発行日 1991年2月10日
Published Date 1991/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900739
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ポイント
1)昆虫アレルギーには,①チョウやガの鱗粉,トビケラの鱗毛,ユスリカの虫体成分がさらに細かくなって気道に吸入されて生じる吸入性アレルギー(気管支喘息,アレルギー性鼻炎)と,②ハチ毒などが刺入されて生じる経皮性アレルギー(局所性・全身性アナフィラキシー)があり,IgE抗体を介して生じる.
2)共に,予防対策が重要であり,減感作治療も有効である.
3)吸入性アレルギーの頻度は高いが,薬物治療は,気管支喘息やアレルギー性鼻炎の治療に準じて行えばよい.経皮性アレルギーは,比較的稀であるが,速やかに重篤な症状に進展することが多く,緊急処置が必要である.
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