症例
凍結保存尿検体により診断した先天性サイトメガロウイルス感染症の極低出生体重児例
藤岡 彩夏
1
,
遲野井 香純
1
,
橋本 礼佳
1
,
佐藤 啓
1
,
敦賀 和志
1
,
佐藤 工
1
,
杉本 和彦
1
,
森内 浩幸
2
,
森内 昌子
2
1弘前総合医療センター小児科
2長崎大学医学部小児科学講座
キーワード:
先天性CMV感染症
,
凍結保存尿検体
,
PCR法
,
早産児
Keyword:
先天性CMV感染症
,
凍結保存尿検体
,
PCR法
,
早産児
pp.79-82
発行日 2023年1月1日
Published Date 2023/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002455
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先天性サイトメガロウイルス感染症(congenital cytomegalovirus infection:cCMV)はTORCH症候群(Toxoplasmosis, Others, Rubella, Cytomegalovirus, Herpes simplex virus)のなかで最も頻度の高い先天性感染症で,わが国でのcCMVの頻度は0.31%とされている1).cCMVの確定診断は日齢21以内の尿検体中のサイトメガロウイルス(CMV)のpolymerase chain reaction(PCR)(CMV-PCR)で行われる.聴性脳幹反応(auditory brainstem response:ABR)の異常を契機に検査が行われる例が多い.しかし,早産児や重篤な疾患をもつ児では,聴覚検査が日齢21を超えてから行われる例も少なくない.今回われわれは,ABRが要再検となった後に,あらかじめ保存しておいた凍結尿検体でPCR検査を行い,cCMV確定診断,治療介入に至った早産,極低出生体重児例を経験したので報告する.
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