特集 ウイルス性肝炎を見直す
3.その他のウイルス性肝炎
河島 尚志
1,2
,
西亦 繁雄
1
,
堤 範音
1
,
柏木 保代
1
1厚生中央病院小児科
2東京医科大学小児科思春期科学分野
キーワード:
CMV
,
EBV
,
エンテロウイルス
,
RS virus
,
HHV-6
Keyword:
CMV
,
EBV
,
エンテロウイルス
,
RS virus
,
HHV-6
pp.20-26
発行日 2023年1月1日
Published Date 2023/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002446
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肝機能障害は種々のウイルス感染でしばしば経験するが,劇症化や重篤になることはまれである.代謝異常や薬剤性が否定的で,血清学的あるいは臨床像から疑われるものを一般的にウイルス肝炎とする.肝炎ウイルスを除いた原因として,頻度の最も高いのはサイトメガロウイルスで,ついでEBウイルス,エンテロウイルス,ロタウイルス,HHV-6,-7などである.これらのなかにはウイルスが検出されても,持続感染しているだけの場合や,代謝異常・栄養不良・心不全により二次的に肝機能障害をきたしていることもある.高トランスアミナーゼは肝炎に伴うものか,サイトカイン血症に伴うものかなど,ウイルス肝炎の診断には病態を含め慎重に判断する必要がある.
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