特集 小児の移植医療
臓器移植
各論
肝移植 小児肝移植の実際
内田 孟
1
,
福田 晃也
1
,
阪本 靖介
1
,
笠原 群生
1
UCHIDA Hajime
1
,
FUKUDA Akinari
1
,
SAKAMOTO Seisuke
1
,
KASAHARA Mureo
1
1国立成育医療研究センター臓器移植センター
pp.775-780
発行日 2023年5月1日
Published Date 2023/5/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000904
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はじめに
わが国における肝移植医療は,1989年に島根医科大学で胆道閉鎖症男児に対して施行された生体肝移植を皮切りに,小児肝移植を中心に発展してきた。2020年末までの日本肝移植学会の全国集計において,18歳未満の小児肝移植は3595例行われており,累積生存率は1年90.4%,5年87.7%,10年で85.6%と良好である1,2)。小児肝移植の症例数は年間120例前後であるが,脳死肝移植症例は全体の1割前後と少なく,生体ドナーが主体である(図1)。
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