症例
ネコ咬傷によるPasteurella感染症をきたした新生児例
加藤 圭恵
1
,
髙柳 文貴
1
,
今高 城治
1
,
吉原 重美
1
1獨協医科大学医学部小児科学
キーワード:
動物咬傷
,
パスツレラ
,
グラム陰性短桿菌
,
蜂窩織炎
,
菌血症
Keyword:
動物咬傷
,
パスツレラ
,
グラム陰性短桿菌
,
蜂窩織炎
,
菌血症
pp.1322-1326
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002356
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日本ではペットとしてネコを室内で飼う家庭が多い.しかし,飼いネコによる人畜共通感染症であるネコ咬傷については社会的に十分な啓発がされていない現状がある.Pasteurella Multocida(P. Multocida)はネコの口腔内に70~90%保菌されている常在菌であり,ヒトがネコに噛まれたり舐められると,Pasteurella感染症を発症する1).ネコ咬傷は牙が鋭く深部に達するため,傷が小さく目立たなくてものちに感染巣から蜂窩織炎を発症する率が高い.また,深部に達すると骨髄炎や関節炎をきたす.免疫不全者や新生児などでは,敗血症や髄膜炎を合併した報告もある2).
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