特集 小児科医に求められるスポーツ医学の知識
7.循環器疾患をもつ子どものスポーツ参加
田中 登
1
,
福島 理文
2
1順天堂大学医学部小児科
2同循環器内科・臨床検査医学科
キーワード:
先天性心疾患
,
不整脈
,
スポーツ
,
運動制限
Keyword:
先天性心疾患
,
不整脈
,
スポーツ
,
運動制限
pp.1117-1123
発行日 2022年10月1日
Published Date 2022/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002311
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先天性心疾患(CHD)は約100名に1名出生する.医療の発達により,より重症度の高いCHDの治療が可能となり,現在ではCHDの95%が成人期を迎えることが可能になった.根治術後もCHD患児は,周りの環境から必要以上に行動制限され,さらには自主的な運動制限によって廃用性筋萎縮をきたしやすい.したがって,脂肪ではなく筋肉へと転化させるためのスポーツはきわめて重要であり,可能な限り奨励するほうが望ましい.無理をしない幼児期に運動制限やスポーツの競技選択が必要となることはないため,現実的にそれらが必要になってくるのは,ある程度の運動が可能となる学童期以降である.よって,本稿では学校で行われるスポーツ参加を中心に述べる.また心疾患患児のスポーツ参加であるため,スポーツは軽度の運動も含むものとする.
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