特集 小児呼吸器――最近のトピックス
5.小児の後鼻漏症候群
植田 穣
1
1おかだこどもの森クリニック
キーワード:
後鼻漏症候群(PNDS)
,
上気道咳嗽症候群(UACS)
,
長引く咳嗽
,
慢性咳嗽
,
診断的治療
Keyword:
後鼻漏症候群(PNDS)
,
上気道咳嗽症候群(UACS)
,
長引く咳嗽
,
慢性咳嗽
,
診断的治療
pp.854-860
発行日 2022年8月1日
Published Date 2022/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002248
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乳幼児や小児における後鼻漏症候群の頻度は高く,とても身近な病態である.鼻汁,鼻啜り,咳払い,咳嗽などの症状がみられ,とくに長引く咳嗽との関連が深い.他覚的所見を必ず認めるとは限らないため,まずは疑うことが重要で,確定診断は後鼻漏の視認で耳鼻咽喉科医と連携して行う事が望ましい.原因疾患としてはかぜ症候群,アレルギー性鼻炎,副鼻腔炎が多く,鼻処置が最も根本的な治療で,薬物療法を併用することで相乗効果が期待できる.薬物療法は確定診断に基づいて行うが,十分な検査を行っても特異的所見がない場合に,病歴や症状を参考にして必要に応じて診断的治療を行う.その際は2週間を目安に効果判定を行い,漫然と同じ治療が継続されないよう注意する.
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