オピニオン
メディアにむしばまれる子どもたち
-—いじめ・不登校・ひきこもり・発達問題の背景にあるもの
田澤 雄作
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1NPO法人ワンダーポケット,国立病院機構仙台医療センター小児科(元部長),ネット問題啓発者養成全国連絡協議会(共同代表)
キーワード:
ドーパミン
,
注意力
,
学力・スポーツ力・コミュニケーション力
,
悪夢
,
親子の絆
Keyword:
ドーパミン
,
注意力
,
学力・スポーツ力・コミュニケーション力
,
悪夢
,
親子の絆
pp.1401-1409
発行日 2021年10月1日
Published Date 2021/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001950
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西暦2000年頃,人間を描けない子どもが出現,「いじめ・不登校・ひきこもり」だけでなく,慢性疲労・うつ病,世界一寂しい・自尊心の低い15歳,子どもの発達障害の問題などが浮上し,近年,ゲーム・スマホ依存の問題が登場した.背景に教育・医療の新自由主義や管理社会があり,進学競争やブラック部活動の問題がある.「反社会的事件」の源も同根と思われる.
子どもの変化で大きいのは「笑顔」の希薄化である.笑顔を司る機能は前頭葉にあり,希薄化はその機能の低下(慢性疲労)から始まる.低下の主因は睡眠・運動不足であり,それを助長したのがテレビからスマホまでのスクリーン映像(電子)メディアといえる.脳の回復を阻害し,慢性疲労を強化し,原因不明の不安や病因不明の身体症状を生み,笑顔を奪ったと考えられる.
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