婦人ジャーナル
31歳定年は違法 むしばまれる女子行員の健康
山主 敏子
pp.57
発行日 1971年4月1日
Published Date 1971/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204109
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31歳定年は違法
男でも女でも30代は働き盛りだが,女なるがゆえに31歳で定年退職させられた女子事務員が,地裁に訴え出て勝訴となり,職場に復帰した事件は,近ごろの朗報であった。話題の主は,盛岡市の岩手県経済連に勤める大沢栄子さん。いまから10年も前に長期臨時職員として就職した。ところが経済連では昭和40年になってから,準職員制度をつくって長期臨時職員を職種によって区分し,大沢さんのような事務雇員は31歳を定年ときめた。そのため昭和45年4月の31歳の誕生日に,彼女は退職の辞令を渡されたのである。
しかし大沢さんと同じように新制度で準職員になった男子はみな一般職員に登用されたのに,女子はされていない,大沢さんはこの点を,性別による差別だとして訴え出たのであった。これに対し,盛岡地裁民事部の石川裁判長は"31歳定年制は女子に対する差別待遇であり,民法90条に違反しているから無効である"との判決を下した。
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