診療
不登校と漢方薬
齋藤 陽
1
1はるの木こどもクリニック
キーワード:
不登校
,
心身症
,
起立性調節障害
,
小建中湯
,
甘麦大棗湯
Keyword:
不登校
,
心身症
,
起立性調節障害
,
小建中湯
,
甘麦大棗湯
pp.269-273
発行日 2021年3月1日
Published Date 2021/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001661
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不登校は年々増加傾向にあり,その要因は家庭や友人関係におけるトラブルのことが多い.通常,不登校になる前の前兆として頭痛や腹痛,嘔気など起立性調節障害と同様の症状を訴えることが多いため,これらの症状を単なる循環器系の異常としてだけでとらえず,心身症の一症状であることを念頭に問診と診察を行うことが必要である.不登校や心身症の治療として心理カウンセリングが必要なケースもあるが,これらの複合的な症状に対しては漢方薬が有用なことも多い.漢方薬にはさまざまな生薬が配合され,一つの漢方薬で不安や緊張を鎮めたり利水作用を有したり一度に複数の症状緩和が期待できる薬剤である.
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