特集 知っておきたい小児の耳鼻咽喉科疾患
5.小児の慢性副鼻腔炎
-―診療のポイント
藤井 可絵
1
1賛育会病院耳鼻咽喉科
キーワード:
小児慢性副鼻腔炎
,
アデノイド肥大
,
後鼻孔鼻茸
,
内視鏡下鼻副鼻腔手術
,
副鼻腔合併症
Keyword:
小児慢性副鼻腔炎
,
アデノイド肥大
,
後鼻孔鼻茸
,
内視鏡下鼻副鼻腔手術
,
副鼻腔合併症
pp.1730-1737
発行日 2020年12月1日
Published Date 2020/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001568
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小児の慢性副鼻腔炎は,上気道感染が遷延化する以外に,免疫が脆弱なために感染を繰り返すこと,鼻副鼻腔が発達段階にあること,アデノイド肥大を認めることなどの複数の因子が関与して病態が形成される.小児副鼻腔炎の治療は可能な限り保存的な加療を行う必要があるが,保存的加療に抵抗して副鼻腔炎が遷延化し,睡眠時無呼吸や集中力の低下を認めたり,急性増悪して副鼻腔合併症を生じる例も存在する.このような例では,保存的加療のみでは限界があり,鼻副鼻腔の発達に影響を与えない程度での手術加療の選択が必要である.副鼻腔炎の病巣範囲や重症度を正確に評価し,患児の生活の質QOLを改善するために,適切な治療方法を選択することが重要である.
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