特集 知っておきたい小児の耳鼻咽喉科疾患
3.耳鼻咽喉科疾患としての小児の慢性咳嗽
増田 佐和子
1
1国立病院機構三重病院耳鼻咽喉科
キーワード:
湿性咳嗽
,
鼻副鼻腔炎
,
アレルギー性鼻炎
,
喉頭アレルギー
,
喉頭疾患
Keyword:
湿性咳嗽
,
鼻副鼻腔炎
,
アレルギー性鼻炎
,
喉頭アレルギー
,
喉頭疾患
pp.1717-1722
発行日 2020年12月1日
Published Date 2020/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001566
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
長びく咳嗽にかかわる耳鼻咽喉科領域の疾患には,鼻副鼻腔炎,アレルギー性鼻炎,喉頭アレルギー,喉頭軟弱症などの形態異常,気道異物などがある.最も頻度が高いのは鼻副鼻腔炎であり,多くが湿性咳嗽を伴う.症状と局所所見から診断が可能であり,治療により比較的速やかに改善する疾患であるため,見逃さないようにしたい.難治例では何らかの合併症や基礎疾患の存在に注意が必要である.アレルギー性鼻炎の患児では合併する喘息や喉頭アレルギーが咳嗽の原因となっていることがある.長びく咳嗽の原因は多様で,1つとは限らないが,原因疾患に対する治療で多くが改善する.小児科と耳鼻咽喉科が協力してアプローチすることが望まれる.
Copyright © 2020, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.