特集 子どもと漢方―日常診療に役立つ考え方・使い方
9.小児便秘症
秋山 卓士
1
1中国電力株式会社中電病院小児外科
キーワード:
小児便秘症
,
大建中湯
,
小建中湯
,
大黄甘草
,
麻子仁丸
Keyword:
小児便秘症
,
大建中湯
,
小建中湯
,
大黄甘草
,
麻子仁丸
pp.288-293
発行日 2020年3月1日
Published Date 2020/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001221
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小児慢性機能性便秘症の治療については,2013年に診療ガイドラインが示されて,その道筋は決まった.第1は生活習慣(排便習慣)と食事療法(水分摂取を含む)であるが,その補助としての薬物治療の第1選択薬は浸透圧性下剤と示されている.それのみですべての症例が治療できるとは限らない.症例の特性に合わせて,触診時に腹筋を硬くしたりするような症例では小建中湯が有効なことが,ガスの貯留で,腹満を伴うような症例では大建中湯が有効なことが,また腸管蠕動を刺激したい症例では大黄を含む漢方薬が有効なことがある.小児便秘症の治療において,漢方薬は考慮すべき治療手段であると考える.
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