特集 こんなときこそ漢方を!
【私のイチオシ処方】
小児の漢方治療と注意点
藤井 泰志
1
1南大沢メディカルプラザ2小児科
キーワード:
小児
,
五苓散
,
小建中湯
,
柴胡桂枝湯
Keyword:
小児
,
五苓散
,
小建中湯
,
柴胡桂枝湯
pp.1641-1644
発行日 2018年12月15日
Published Date 2018/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201814
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総論—注意点と投与量の目安
小児の体は、成人とは生理学的特徴が異なる点があり、これに伴い漢方治療でも頻用処方が異なってくる。また、成人と比べて小児は漢方的な体質の個人差(“証”の違い)が比較的少ないため、漢方の頻用処方も限られてくる。個人差を意識せず、症候を目標に処方選択しても、大きく外れることは比較的少ない。
小児に限らないが、食事アレルギーがある患児への処方には注意が必要である。漢方薬の原材料には食材[小麦、ゴマ(胡麻)、シナモン(桂皮・桂枝)]や、大豆関連植物[マメ科植物由来の黄耆や甘草]が使用されていることがあり、アレルギーの種類や程度によって、投薬を避ける必要が出てくる。またエキス製剤では賦形剤として、乳糖やトウモロコシデンプンが使用されていることが多く、注意が必要である。また、葛根湯・麻黄湯・小青竜湯などに含まれる麻黄はエフェドリンを含有しており、覚醒して寝つけなくなったり、夜泣きのきっかけになったりすることがある。その際には処方変更や減量、服用時間の変更などの対処を検討する。
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