特集 小児 一次救急マニュアル─帰宅可能か?二次救急か?判断のための手引き─
❸一次救急でみられる主な疾患
9.血液・腫瘍性疾患
松本 公一
1
1国立成育医療研究センター小児がんセンター
キーワード:
血液・腫瘍性疾患
Keyword:
血液・腫瘍性疾患
pp.748-754
発行日 2019年4月30日
Published Date 2019/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000881
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一次救急で血液・腫瘍疾患に遭遇することは,きわめて少ない.化学療法施行時の感染症では,ただちに広域抗生剤による経験的治療が必要な場合がある.出血性疾患の救急では,「原因検索よりもまず補充療法を優先」が原則で,腹部固形腫瘍からの出血には注意が必要である.一次救急の現場では,非特異的症状を主訴とすることが多いため,血液・腫瘍疾患を「疑わなければ見逃す」ことを肝に銘じる必要がある.喘息を初発症状とする縦隔腫瘍,腸重積の原因としてのBurkittリンパ腫,オプソクローヌス・ミオクローヌス症候群を呈する神経芽腫などは,その代表である.また,小児脳腫瘍は経験のある病院へ搬送することが最も重要である.
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