増刊号 ひとりでも困らない! 検査当直イエローページ
Ⅲ章 報告前に必要なチェック
〔血液学検査〕
血液像(非腫瘍性疾患)
安藤 秀実
1
1日本大学病院臨床検査部
pp.1094-1100
発行日 2015年10月30日
Published Date 2015/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542200555
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緊急性
夜間,休日などで,日常は血液検査を担当していない臨床検査技師が行う血液一般検査は,ほとんどの施設で自動血球計数器(分析装置)を用いて行われ,白血球分画も自動的に5分画されている.大多数の施設では,この結果がそのまま報告されているのが現状である.異常な白血球分画のときには異常メッセージが出されるが,日常に血液検査を担当していない臨床検査技師は,血液塗抹標本を作製し,観察することはほとんどない.
血液像検査は,白血球系の形態異常から細菌性疾患,ウイルス性疾患の手掛かりを得ることが可能であり,赤血球形態の変化からは播種性血管内凝固(disseminated intravascular coagulation:DIC),溶血性尿毒症症候群(hemolytic-uremic syndrome:HUS),血栓性血小板減少性紫斑病(thrombotic thrombocytopenic purpura:TTP)などにおいて鑑別の手助けとなることがある.
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