特集 小児 一次救急マニュアル─帰宅可能か?二次救急か?判断のための手引き─
❷症状別アプローチ
2.嘔 吐
田村 卓也
1
1手稲渓仁会病院小児科/小児集中治療科
キーワード:
生理学的評価
,
経口補水療法
Keyword:
生理学的評価
,
経口補水療法
pp.495-502
発行日 2019年4月30日
Published Date 2019/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000850
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嘔吐は小児では最もよく認められる症状の一つである.嘔吐を主訴に受診した小児を診察する上では,嘔吐の重症度に加えて,鑑別疾患として重症な病態,緊急性を要する病態がないかという点に注意して診察を進めていくことが重要である.そのためにも,ABCDEアプローチから生理学的評価を行うことが見逃しを少なくする.小児では,年齢により疾患の頻度が変わってくるため,年齢ごとに鑑別疾患を整理しながら鑑別していくと良い.嘔吐に対する治療として特別なものはなく,脱水に応じて補液療法を行っていくことが重要となる.その中でも経口補水療法が第一選択となっている.嘔吐持続時には難しくなることもあるが,家族への適切な指導も成功の秘訣である.
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