特集 Down症を見つめる
2.心合併症
佐藤 正規
1
1東京女子医科大学循環器小児科
キーワード:
Down症
,
先天性心疾患
,
肺高血圧
,
房室中隔欠損症
,
心室中隔欠損症
Keyword:
Down症
,
先天性心疾患
,
肺高血圧
,
房室中隔欠損症
,
心室中隔欠損症
pp.9-15
発行日 2019年1月1日
Published Date 2019/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000724
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Down症候群の約半数が先天性心疾患を合併し,なかでも心室中隔欠損症,房室中隔欠損症,心房中隔欠損症,動脈管開存症が多い.これらでは出生後の肺血管抵抗の低下に伴い,体循環から肺循環へのシャント血流の増加が起き,この状態が持続すると肺血管壁の変化が進行し,不可逆的な肺高血圧が起きるとされる.Down症児ではとくに肺高血圧の進行が早く,肺血管の閉塞性病変の進行の早さや肺血管の構造異常,上気道閉塞,呼吸器感染の影響が考えられる.この不可逆的な肺高血圧を防ぐために,Down症児は生後早期に心臓病学的診察を受け,治療介入を検討する必要がある.近年,Down症児への早期療育の重要性がいわれており,心疾患への早期介入で児および家族のQOLの改善を得ることは重要と考える.
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