特集 花粉症の疑問に答える
【疫学】
受動喫煙はアレルギー性鼻炎の発症や病態に影響するか?
寺田 明彦
1
Akihiko Terada
1
1てらだアレルギーこどもクリニック
キーワード:
受動喫煙
,
アレルギー性鼻炎
,
小児
Keyword:
受動喫煙
,
アレルギー性鼻炎
,
小児
pp.1037-1040
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001752
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はじめに
たばこの煙には,喫煙者が吸引する主流煙,先端から立ち上がる副流煙と喫煙者の吐き出す呼出煙があり,副流煙や呼出煙を周囲にいる人たちが吸ってしまう“望まない,受動喫煙”が問題である。受動喫煙による健康被害についての疫学的調査から,成人では,脳卒中,鼻刺激症状,肺癌,心血管疾患や女性の生殖機能(低出生体重児の増加)などがもたらされる。また小児では,中耳疾患,呼吸器症状,肺機能障害,下気道疾患,乳児突然死症候群が増加すると言われている1)。日本小児アレルギー学会では受動喫煙防止ワーキンググループを設置して受動喫煙と小児アレルギー疾患に関するシステマティックレビューを行った2)。

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