特集 小児科医のための新しい画像診断の知識
1.脳機能画像法を用いた子どもと親のこころの脳科学研究の動向
島田 浩二
1,2,3
,
笠羽 涼子
3
,
矢尾 明子
3
,
牧田 快
1
,
友田 明美
1,3,4
1福井大学子どものこころの発達研究センター
2福井大学高エネルギー医学研究センター
3大阪大学・金沢大学・浜松医科大学・千葉大学・福井大学連合大学院小児発達学研究科(福井校)
4福井大学医学部附属病院子どものこころ診療部
キーワード:
functional MRI
,
神経発達障害
,
トラウマ関連障害
,
親子関係
,
バイオマーカー
Keyword:
functional MRI
,
神経発達障害
,
トラウマ関連障害
,
親子関係
,
バイオマーカー
pp.969-976
発行日 2018年6月1日
Published Date 2018/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000504
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
本稿では,神経発達障害等の精神疾患の生物学的な基盤に関する研究のなかでも,脳機能計測技術の一つである機能的磁気共鳴画像法を用いた脳研究の最近の動向に焦点を当てる.神経発達障害の注意欠如多動症や自閉スペクトラム症,類似した症候を示すトラウマ関連の愛着障害の病態に関する脳研究,また,子どもの発達が養育者や周囲の人々との関係性のなかで導き支えられるという観点に基づき,子どもとの関係性の維持に関わる養育者の社会脳機能に関する脳研究について紹介する.今後,脳研究や関連研究分野の知見が積み重なることで,生物学的根拠のある指標が確立され,精神疾患体系の再構築や治療法開発につながっていくことが期待される.
Copyright © 2018, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.