特集 思春期を診る!
Ⅱ章 小児科医が行う思春期診療─どう診るか?どこまで診るか?
9 くりかえす腹痛(慢性腹痛)
神保 圭佑
1
,
工藤 孝広
1
K. Jimbo
1
,
T. Kudo
1
1順天堂大学小児科
キーワード:
器質的障害
,
機能的障害
,
警告兆候
,
便潜血反応
Keyword:
器質的障害
,
機能的障害
,
警告兆候
,
便潜血反応
pp.529-535
発行日 2018年4月30日
Published Date 2018/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000431
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思春期をむかえた小児が慢性腹痛を主訴に外来受診をすることはよく経験される.慢性腹痛は小児の10~19%にみられ,思春期にかけ増加する.慢性腹痛は器質的障害と機能性障害の2つに大別され,器質的障害は生理学,解剖学的,あるいは生化学的異常に起因する腹痛で,機能性障害は器質的障害がはっきりみられない腹痛であり,小児の慢性腹痛のほとんどは機能性障害である.器質的障害と機能性障害を鑑別するための初期評価において,警告兆候の有無について確認することは重要で,機能性障害ではほとんどの場合,警告兆候がみられない.また,警告兆候の確認に加え,便潜血反応を検査することも両者の鑑別のためには非常に有効である.
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