特集 整形外科におけるiPS細胞を用いた再生治療法開発とその臨床応用への取り組み
扉
妻木 範行
pp.1106-1106
発行日 2026年9月1日
Published Date 2026/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000003934
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整形外科領域には,いまだ有効な治療法が確立されていない疾患が少なくなく,再生治療法の開発に大きな期待が寄せられている。再生治療は,細胞や組織を病変部に投与・移植することにより機能回復を目指す治療法であり,そのmechanism of action(MoA)は二つに分類できる。第一は,投与した細胞が成長因子を分泌し,それらがレシピエントの周辺組織に作用することで,組織修復の促進や炎症制御をもたらすものである。現在実用化されている多くの細胞治療は,この作用機序に基づくものと考えられている。第二は,正常な細胞あるいは組織に相当する移植材料を病変部に移植し,その移植物が生着して本来の機能を担うものである。この作用機序は失われた組織や機能の再建を可能とし,根治的治療につながる可能性を有する。しかしながら,体細胞は培養過程で老化するため,高品質な移植材料を安定的かつ大量に製造することは容易ではなかった。

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