特集 がん対策の加速化
扉
pp.197
発行日 2017年3月15日
Published Date 2017/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208623
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がん対策基本法の制定から10年が経過しました.同法に基づき政府が策定した「がん対策推進基本計画」(以下,基本計画)は現在,第2期計画(2012〜2016年度)の終盤ですが,がんの年齢調整死亡率を20%減少させるという目標の達成は難しい状況です.そこで厚生労働省はがん対策推進協議会からの提言を踏まえて,2015年12月に「がん対策加速化プラン」(以下,加速化プラン)を策定・公表しました.加速化プランは,①がんの予防(がん検診,たばこ対策,肝炎対策,がん教育),②がんの治療・研究(がんのゲノム医療,小児・思春期・若年成人世代のがん対策,希少がん対策など),③がんとの共生(就労支援,支持療法の開発・普及,緩和ケア)の3つを柱としています.これらは,基本計画で示した対策の中でも遅れているために(課題があるために)加速する必要のある分野ということですが,いずれも第3期基本計画(2017年6月頃に閣議決定)に向けた宿題の多い分野ともいえます.
そこで本号では,加速化プランに掲げられた課題のうち公衆衛生の活動や研究に関わりの大きいもの,あるいはがん対策の加速化に伴う課題(がん検診拡大による過剰診断など)を取り上げて,それぞれご専門の立場から解説や今後の対策のあり方に関するご提言をいただきました.
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