整形外科 名人のknow-how
簡易骨盤授動術(PM‒兼氏法)―手技の実際と効果の考察―
兼氏 歩
1
,
三治 雄輔
1
Ayumi KANEUJI
1
1金沢医科大学,整形外科
pp.822-825
発行日 2026年6月1日
Published Date 2026/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000003843
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仙腸関節(sacroiliac joint;SIJ)は仙骨と腸骨の関節面で構成される滑膜関節であり,関節腔の領域が少なく,靱帯領域が多く占めるという特徴を有する。Bernardら1)は,この2つの領域を総称してSIJと定義している。SIJは体幹と下肢の荷重伝達や姿勢の安定化,さらに歩行における力学的効率の維持に寄与するなど,全身の運動機能を支える上で重要な役割を担っている2)。その可動域はおおむねflexion-extensionで約3°,axial rotationで約1.58°,lateral bendingが約0.88°と報告されている3)。このように,関節可動域は小さいものの,後方靱帯群や胸腰筋膜,骨盤底筋群と密接に連結した複合体として機能しているため2),わずかなずれであっても周囲組織とのバランスに大きく影響し,疼痛や機能障害を惹起しやすい。またSIJ障害は腰殿部痛に加え,鼠径部痛や大腿外側部痛など多彩な関連痛を呈し,腰椎や股関節疾患との鑑別を必要とする4)~6)。股関節疾患に伴う骨盤帯の機能変化や人工股関節全置換術(total hip arthroplasty;THA)後に発現する鼠径部痛においても,SIJ障害に起因する症例が報告されている。

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