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特集 整形外科領域におけるAIの進歩
X線画像を基盤としたAI骨粗鬆症診断補助システムの現状と展望
-―スクリーニング・診断のパラダイムシフトを目指して―
Current status and future perspectives of AI-assisted osteoporosis diagnostic systems using X-ray imaging;toward a paradigm shift in screening and diagnosis
茂呂 徹
1
,
齋藤 琢
2
,
田中 健之
3
,
石倉 久年
1
,
吉村 典子
4
,
田中 栄
2
Toru MORO
1
,
Taku SAITO
2
,
Takeyuki TANAKA
3
,
Noriko YOSHIMURA
4
1東京大学大学院医学系研究科,関節機能再建学講座
2同上, 外科学専攻感覚・運動機能医学講座(整形外科学)
3同上,運動器AIシステム開発学講座
4東京大学22世紀医療センター,ロコモ予防学講座
キーワード:
Artificial intelligence(AI)
,
Osteoporosis
,
Bone mineral density(BMD)
Keyword:
Artificial intelligence(AI)
,
Osteoporosis
,
Bone mineral density(BMD)
pp.1367-1377
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000003595
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要旨:骨粗鬆症患者に早期に介入して脆弱性骨折を防ぐことは喫緊の課題である。筆者らは,既存の単純X線画像から腰椎および大腿骨近位部の骨密度を同時に推定するAI骨粗鬆症診断補助システム(AIBONEX)を開発した。本システムは回帰解析により骨密度・YAM・Tスコアを演算し,スクリーニング・診断補助のみならず治療選択にも応用可能である。筆者らは構造的異常や多様な臨床症例をあえて学習に取り込むことで過学習を回避し,実臨床においても安定した予測が可能な頑健なAIモデルの構築を進めている。今回紹介するコホートでは,腰椎正面X線画像から推定した骨密度値とDXA実測値との相関係数は,腰椎群で0.91,大腿骨近位部群で0.83,胸部正面X線画像から推定した骨密度値とDXA実測値との相関係数は,腰椎群で0.85,大腿骨近位部群で0.84と高精度を示し,既存代替測定法を凌駕する性能を維持した。要精密検査群(YAM<80%),骨粗鬆症群(YAM≦70%)の判別精度も高い水準を示した。本システムの実用化は,未診断例の早期発見と骨折予防に寄与し,骨粗鬆症診療のパラダイムシフトをもたらす。

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