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特集 転倒予防最前線
認知症高齢者の転倒予防
Fall prevention in the older adults with dementia
鈴木 みずえ
1
Mizue SUZUKI
1
1浜松医科大学,臨床看護学講座
キーワード:
Fall prevention
,
Older adults
,
Dementia
Keyword:
Fall prevention
,
Older adults
,
Dementia
pp.877-887
発行日 2025年7月1日
Published Date 2025/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000003468
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要旨:認知症高齢者は認知症による脳神経系変化や加齢による心身機能の変化に伴って,転倒リスクに関連する歩行・バランス機能が低下しやすく,転倒しやすい状況にある。転倒予防の国内外の研究においても認知症高齢者の転倒予防に関しては様々な方法が行われているが,エビデンスは十分ではない。認知症高齢者の転倒予防研究は多因子介入・学際的介入研究が注目されていたが,近年の転倒予防の研究では多職種チーム連携を重視した研究もみられる。認知症高齢者の転倒予防は,言語的な訴えができない認知症高齢者が “独自のニーズ(排泄・活動等)” を満たせず “転倒につながる行動” が生じやすいことを専門職が認識することから始まる。パーソン・センタード・ケアの心理的ニーズや生活における食事や排泄上のニーズ,潜在的なニーズに対応し,睡眠パターンを含めた生活リズムを整えたりすることで,認知症高齢者は穏やかに生活することができ,いわゆるBPSDの出現を予防して転倒予防につながる。

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