Japanese
English
特集 高齢者の脊髄損傷
高齢者脊髄損傷予防とロコモ対策
Management of locomotive syndrome for prevention of spinal cord injury among elderly people
緒方 徹
1
Toru OGATA
1
1国立障害者リハビリテーションセンター,障害者健康増進・運動医科学支援センター
キーワード:
Locomotive syndrome
,
Fall prevention
,
Postural control
Keyword:
Locomotive syndrome
,
Fall prevention
,
Postural control
pp.327-331
発行日 2018年3月1日
Published Date 2018/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000376
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨:高齢者の脊髄損傷が増加傾向にある背景として,頚椎脊柱管狭窄をもつ高齢者が軽微な転倒によって頚髄損傷に至るケースの増加が挙げられる。転倒予防としてバランス訓練や筋力強化・運動が効果を有することは高いエビデンスレベルで示されており,転倒による脊髄損傷においても有効な予防策と考えられる。一方,ロコモティブシンドロームは運動器の機能障害を統合的にとらえる視点であり,転倒予防はロコモ対策の目的の一つでもある。ロコモの主要疾患の一つが変形性腰椎症であることを踏まえると,頚椎脊柱管狭窄をもつケースもロコモ該当者に多いことが予想される。脊損高齢者の中には受傷前に頚椎病変に関連して受診歴がなく,転倒に伴う危険性を本人が把握していないケースも多い。今後,ロコモ該当者に対してスクリーニングとして頚椎X線撮影するなどして本人にリスクを伝え,運動療法と生活環境の改善を図ることが脊髄損傷予防につながると考える。
Copyright © 2018, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.