Japanese
English
特集 Musician’s Handをめぐって
音楽家の腱鞘炎
Tenosynovitis in musicians
亀山 真
1
Makoto KAMEYAMA
1
1東京都済生会中央病院,整形外科
キーワード:
de Quervain’s tenosynovitis
,
Flexor tenosynovitis
,
Musician
Keyword:
de Quervain’s tenosynovitis
,
Flexor tenosynovitis
,
Musician
pp.25-32
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000003247
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要旨:手指を酷使する音楽家で問題となるde Quervain腱鞘炎と手指屈筋腱腱鞘炎について,主に高周波リニアプローブを用いた超音波検査による診断,治療の実際を紹介する。de Quervain腱鞘炎では超音波検査で背側第1区画での腱鞘の肥厚と,隔壁の有無を確認する。治療は超音波エコーガイド下にトリアムシノロンアセトニドを腱鞘内へ注入することで高確率での寛解が得られる。手指屈筋腱腱鞘炎は,超音波検査でA1プーリーと屈筋腱の肥厚,および手指屈伸運動での屈筋腱の滑走障害を確認する。トリアムシノロンアセトニドの腱鞘内注入は,屈筋腱への誤注入を避け,病変である腱鞘と屈筋腱への薬効を得るため,指基節部での側正中注入法としている。手術療法は腱鞘切開が主体だが,重症例では腱剝離,腱滑膜切除の追加を要し,この場合,術後の可動域制限が問題となりやすい。また腱鞘切開後の腱の跳ね上がり現象は演奏活動に支障をきたす可能性があるため,手術適応は慎重にすべきである。
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