Japanese
English
臨床
胸椎黄色靱帯骨化症による腰背部痛に対する椎弓切除術の即時効果
Immediate surgical outcome of thoracic laminectomy for back pain caused by ossification of ligamentum flavum
小山 一茂
1
,
澤田 利匡
1
,
田中 利弘
1
,
川岸 利光
1
Kazushige KOYAMA
1
1医療法人社団 整志会 沢田記念 高岡整志会病院,整形外科
キーワード:
Ossification of ligamentum flavum
,
Back pain
,
Thoracic laminectomy
Keyword:
Ossification of ligamentum flavum
,
Back pain
,
Thoracic laminectomy
pp.1369-1376
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002749
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要旨:腰背部痛を惹起する胸椎黄色靱帯骨化症(OLF)の特徴および,退院時における椎弓切除術による腰背部痛改善の有無を調査した。対象はOLFに対して椎弓切除術を行った143名,平均年齢68.9歳で,平均入院期間は18.4日であった。術前に腰背部痛の有無を評価し,退院時に腰背部痛が消失した場合を症状改善ありとした。術前腰背部痛あり群(82名)はなし群(61名)と比較し,下肢痛や排尿障害の有訴率が有意に低かった。術前腰背部痛あり群82名中62名で椎弓切除術により症状改善を認めた。改善群62名中31名では術前の脊髄造影CTで脊髄変形を認めていなかった。術前腰背部痛あり群はなし群と比較して索路症状を随伴する割合が少なく,腰背部痛はOLFの病初期から発症する可能性が示唆された。椎弓切除術により高率に腰背部痛が改善したが,脊髄変形の有無と腰背部痛に明らかな関連を認めず,今後,腰背部痛の機序の多角的な解析,長期追跡が必要と思われた。
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