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特集 脊柱管内靱帯骨化の病態と治療(第16回日本脊椎外科研究会より)
頸椎黄色靱帯骨化・石灰化巣と黄色靱帯の分布について
Anatomical Study of Ossification and Calcification of the Yellow Ligament of Spine with Reference to the Distribution of the Yellow Ligament
田中 弘美
1
,
都築 暢之
1
,
星地 亜都司
1
,
堀田 芳彦
2
,
飯塚 正
2
Hiromi Tanaka
1
1埼玉医科大学総合医療センター整形外科
2埼玉医科大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Saitama Medical Center, Saitama Medical School
キーワード:
骨化
,
ossification
,
石灰化
,
calcification
,
黄色靱帯
,
yellow ligament
,
椎弓間部
,
interlaminar portion
,
椎間関節包部
,
capsular portion
Keyword:
骨化
,
ossification
,
石灰化
,
calcification
,
黄色靱帯
,
yellow ligament
,
椎弓間部
,
interlaminar portion
,
椎間関節包部
,
capsular portion
pp.411-417
発行日 1988年4月25日
Published Date 1988/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907832
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抄録:胸椎黄色靱帯骨化は比較的多いが,頸椎黄色靱帯骨化は稀である.しかし石灰化という点からみると頸椎黄色靱帯石灰化は比較的多いが,胸椎での石灰化巣による圧迫麻痺の報告はない.このように骨化と石灰化の発生頻度が頸椎と胸椎で逆の関係になっている.今回この問題をとりあげ,自験例頸椎黄色靱帯骨化症1例,石灰化症7例,胸椎黄色靱帯骨化症17例および人の遺体標本3体を対象にして研究を行い,次の様な結論に達した.1)頸椎黄色靱帯骨化症は石灰化症に比べて石灰化(-),オステオポローシス(-),靱帯骨化傾向(+)などにより発生機序が異なる.2)頸椎黄色靱帯骨化巣はC5/6より頭側と尾側で発生頻度,部位が異なっており,黄色靱帯の椎間関節包部の有無と関連があった.3)頸椎の椎間関節の傾斜確度は胸椎と異なり,靱帯にかかるストレス等の影響を無視できない.4)頸椎の左右の椎間関節間距離は頸椎では長く,胸椎では短いことが黄色靱帯の分布の違いに関与している可能性がある.
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