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大学病院整形外科医の本分
後藤 公志
1
Koji GOTO
1
1近畿大学医学部,整形外科学教室
pp.1123-1123
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002692
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整形外科医の目指すところは,四肢や背骨の疾患や怪我に苦しむ一人でも多くの患者さんに治療を施し,回復への道のりをサポートし,健康な日常生活に復帰させることである。開業医や病院勤務医として,個々の患者さんに治療を行う道もあれば,大学病院などで治療方法の改善や新たな治療法の開発に取り組むことによって,より多くの患者さんの治療成績の改善を目指すという道もある。前者は整形外科医療の発展と維持に貢献しているといえるし,後者は整形外科学の発展に貢献しているともいえる。道は違えど目指すべきものは変わらない。しかし,大学病院で働く整形外科医には,整形外科医療の維持発展と整形外科学の発展への貢献の両立が求められる。これは大学病院のすべての整形外科医に求められることではない。整形外科医それぞれに個性があり,社会的背景があり,得手不得手があり,個々の整形外科医が一様に両立することには無理がある。また,それぞれの大学病院にも個性があり,地域性があり,求められる仕事は一様ではない。さて,大学病院整形外科のチームリーダーとしてどうするか。ワクワクする仕事であると同時に責任の重さも痛感する。個々の力を最大限発揮してもらって全体としてのアウトプットを最大化するために,まずは健康で楽しく働いてもらえる就労環境の整備が肝要であることはいうまでもない。
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