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特集 脊椎脊髄領域の画像診断―最新の知識と進歩
Ⅴ.AIを用いた脊椎脊髄疾患の画像診断の進歩
深層学習を用いたMRIでの脊髄腫瘍自動診断システム
Automated detection and diagnosis of spinal cord tumor using deep learning and magnetic resonance imaging
伊藤 定之
1
,
中島 宏彰
1
,
町野 正明
1
,
小田 昌宏
2
,
森 健策
2
,
今釜 史郎
1
Sadayuki ITO
1
,
Masahiro ODA
2
1名古屋大学大学院医学系研究科,整形外科学
2名古屋大学大学院情報学研究科,知能システム学専攻
キーワード:
Deep learning
,
Automatic diagnosis
,
Spinal cord tumor
Keyword:
Deep learning
,
Automatic diagnosis
,
Spinal cord tumor
pp.657-665
発行日 2023年4月30日
Published Date 2023/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002560
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要旨:脊髄腫瘍は頻度の低い脊髄疾患であり,MRIを用いても診断が困難な場合が多い。これらの腫瘍の見落としを減らし,診断精度を向上させるために,自動診断システムの導入が望まれる。MRIを用いた深層学習で脊髄腫瘍の自動検出・診断システムを開発した。症例数の多い神経鞘腫と髄膜腫の患者それぞれ50人と45人のデータを検討した。矢状面のT1強調像(T1WI)とT2強調像(T2WI)を用いて,物体検出,分類,学習,検証を行い,You Only Look Once(YOLO)version 4(v4)を用いて,自動検出・診断システムを開発し,精度を算出した。T1WI,T2WI,T1WI+T2WIに基づく自動検出精度は,それぞれ78.1%,87.1%,91.8%であった。T1WI,T2WI,T1WI+T2WIに基づく診断精度は,それぞれ76.4%,83.3%,84.1%であった。MRIを用いた深層学習で開発したシステムで神経鞘腫と髄膜腫の正確な自動検出と診断を実証した。本システムは,放射線診断の支援に有用であると考えられる。今後はそのほかの脊髄腫瘍の自動診断システムも開発する予定である。
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