Japanese
English
特集 上位頚椎疾患・外傷の病態と治療
先天性筋性斜頚の診断と治療
-―思春期・成人期まで遺残した例を含めて―
Congenital muscular torticollis;clinical features, diagnosis, and treatments including neglected cases
船尾 陽生
1,2
,
磯貝 宜広
1,3
,
石井 賢
1,2,3
Haruki FUNAO
1,2
,
Norihiro ISOGAI
1,3
1国際医療福祉大学医学部,整形外科学教室
2国際医療福祉大学成田病院,整形外科
3国際医療福祉大学三田病院,整形外科
キーワード:
Torticollis
,
Congenital muscular torticollis
,
Sternocleidomastoid release
Keyword:
Torticollis
,
Congenital muscular torticollis
,
Sternocleidomastoid release
pp.1165-1169
発行日 2022年8月1日
Published Date 2022/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002255
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨:先天性筋性斜頚は一般に乳児期に診断され,多くは1~2歳頃までに自然治癒もしくは保存治療で治癒する。年齢が高くなるほど胸鎖乳突筋の線維化が強くなると考えられており,保存治療に抵抗性であることが多い。2歳以降も遺残する場合には,手術治療が検討され,一般に胸鎖乳突筋切腱術が施行される。5歳を過ぎると術後頭部・顔面変形や胸鎖乳突筋に索状の瘢痕を生じやすく,10歳を過ぎると不可逆的な頭部・顔面変形が残存する可能性が報告されている。まれに思春期や成人期まで放置されることがあり,斜頚や可動域制限のみならず,様々な愁訴が出現することがあるため注意が必要である。思春期・成人期においても外観,疼痛,機能の改善に手術治療は有効であり,症例に応じて検討すべきである。
Copyright © 2022, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.