研究者としての整形外科医のキャリア形成

Career formation of orthopaedic specialist as a basic researcher

要旨：福島県立医科大学で平成23（2011）年に採択された文部科学省の「女性研究者研究活動支援事業」では，ライフイベントを抱える女性研究者の支援の取り組みの一つとして，研究支援員の配置を行った。筆者の研究内容からヒントを得て「優先順位スコア」を作成し，客観性と透明性を担保できるように体制を整備した。これは，同事業が採択された他大学への波及効果があり，高い評価を得た。事業終了後に学内に開設された「男女共同参画推進室」で，現在，この改訂版が研究支援のニーズ調査に利用され，筆者自身の研究へのモチベーションにもつながっている。また，筆者が所属している整形外科学講座では，ダイバーシティという用語が多用される以前から，包括的にすべての医局員の状況を把握し，専門性の希望を加味しキャリア形成をサポートする体制が整備されている。今後，ダイバーシティが推進され，個人の能力を最大限活かすことができる環境が整備されることを期待する。