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特集 末梢神経―Current Concept in 2022
Ⅶ.肘部管症候群,Guyon管症候群
肘部管症候群の疫学・診断
Epidemiology and diagnosis of cubital tunnel syndrome
林 正徳
1
,
加藤 博之
2
Masanori HAYASHI
1
,
Hiroyuki KATO
2
1信州大学医学部,運動機能学教室
2流山中央病院,手外科・上肢外科センター
キーワード:
Cubital tunnel syndrome
,
Epidemiology
,
Diagnosis
Keyword:
Cubital tunnel syndrome
,
Epidemiology
,
Diagnosis
pp.643-647
発行日 2022年4月30日
Published Date 2022/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002134
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要旨:肘部管症候群は日常診療において手根管症候群に次いで多く見かける絞扼性神経障害であるが,その診断にはしばしば難渋する。筆者らの調査では肘部管症候群は肘関節症との合併が62.2%と最も多く,重症例は肘関節症進行例に多く合併していた。診断は問診によりしびれや感覚障害が環指・小指に限局していることやその発症時期を確認し,外傷や職業,スポーツ歴についての聴取を行う。診察では肘関節の内・外反変形や環指・小指の鉤爪指(claw finger)変形を確認し,筋力および感覚の評価に加え,肘屈曲テスト,肘部管でのTinel様徴候,Froment徴候,指交差テストを行う。画像検査では単純X線像により変形性肘関節症の有無を確認する。超音波検査およびMRIでは偽神経腫やガングリオンの確認が可能である。電気生理学的検査では肘部管部での伝導障害の有無を確認する。鑑別疾患には頚部脊髄症(C5/6,C6/7),頚部神経根症(C7,C8),胸郭出口症候群,Guyon管症候群などがある。
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