Japanese
English
臨床
人工膝関節全置換術の周術期に抗血栓薬の中止は必要か?
Estimated blood loss in the total knee arthroplasty;should we stop the anti coagulant drugs?
小久保 吉恭
1
,
中里 啓佑
1
,
村澤 茂
1
Yoshiyasu KOKUBO
1
1武蔵野赤十字病院,整形外科
キーワード:
TKA
,
Blood loss
,
Anti-coagulant drug
Keyword:
TKA
,
Blood loss
,
Anti-coagulant drug
pp.1701-1703
発行日 2021年12月1日
Published Date 2021/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001979
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要旨:人工膝関節全置換術(TKA)の周術期出血量に対する抗血栓薬の影響について検討した。2019年1~12月に施行した片側TKA 163例(平均年齢76歳)を対象とした。抗血栓薬使用群(A群)28例,対照群(C群)135例の2群に分けて推定総出血量を比較した。推定総出血量はGrossの予測式を使用して算出した。手術は全例subvastus法でセメント機種,空気駆血帯を使用し,関節包縫合後には,トラネキサム酸1,000mgを関節腔内に注入した。抗血栓薬は全症例で休薬せず,手術当日朝も内服し,術後は翌日朝から内服を再開した。推定総出血量はA群758±468ml,C群592±305mlで有意差を認めなかった。輸血症例は,A群3例,C群6例であった。血栓リスクのある患者においては,抗血栓薬休薬による心血管リスクの増大が懸念される。本研究の結果からは,推定総出血量を比較する限り,全例一律の抗血栓薬休薬やヘパリンブリッジの必要はないと考えられた。
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