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特集 人工関節後のスポーツ
THA後のスポーツ活動の実態調査
-―スポーツ復帰許可への外転筋力指標と術後経過観察期間―
Sports activity after primary total hip arthroplasty;follow-up period returning to sports and abductor muscle recovery rate
平川 和男
1
,
二宮 一成
1
,
髙栁 聡
1
,
玉木 康信
1
,
落合 俊輔
1
,
三原 政彦
1
Kazuo HIRAKAWA
1
1湘南鎌倉人工関節センター
キーワード:
Primary total hip arthroplasty
,
Sports activity
,
Abductor muscle power recovery rate
Keyword:
Primary total hip arthroplasty
,
Sports activity
,
Abductor muscle power recovery rate
pp.747-752
発行日 2020年5月1日
Published Date 2020/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001305
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要旨:近年,超高齢社会に伴い大腿骨頚部や臼蓋における小児期からの形成不全を伴わない変形性股関節症が増加しており,術前・術後にスポーツの可否について質問を受けることも多い。本研究では反対側は手術適応のない患者に対し片側のみに人工股関節手術を行い,術前から術後1年までのアプローチ別による外転筋力回復率を解析した。また,術前からスポーツに復帰する目的で手術を選択したか否かのアンケート調査も併せて行った。その結果,術前比で150%に筋力が回復した(1.0Nm/kg以上)6カ月以降で,過去に経験のあるスポーツへの復帰を許可すべきであるという結論に達した。スポーツ活動は社会活動参加による精神的解放感とそれに伴うストレス低減,心血管系イベント予防に有効であるとする論文もあるが,人工股関節手術後には残存する筋力低下とともに脱臼,転倒,骨折,感染などのリスクもあり,自由に何でも許可してもよいというわけではない。15年以上の臨床成績が安定してきた現状であればこそ,長期成績をよりよく保つため医療従事者は患者個別に骨質,筋力の回復の程度を判断し術後教育にあたらなければならない。前向き研究でのエビデンスがない現状では,全く経験したことのないスポーツ種目への挑戦やhigh impactを含むコンタクトスポーツへの自由な参加容認は厳に慎むべきである。
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