Japanese
English
経験と考察
大腿骨転子部骨折術後のラグスクリューに起因する大腿外側部痛
-――発症頻度,危険因子とその治療方法
Lateral hip pain after surgery with a short femoral nail:frequency, risk factors, and its treatment
坂井 崇一郎
1
,
河野 裕介
1
,
中村 哲郎
1
,
土屋 邦喜
1
S. Sakai
1
,
Y. Kohno
1
,
T. Nakamura
1
,
K. Tsuchiya
1
1地域医療機能推進機構(JCHO)九州病院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Japan Community Health care Organization(JCHO) Kyushu Hospital, Kitakyushu
キーワード:
femoral trochanteric fracture
,
lateral hip pain
,
short femoral nail
,
lag screw
,
telescoping
Keyword:
femoral trochanteric fracture
,
lateral hip pain
,
short femoral nail
,
lag screw
,
telescoping
pp.953-956
発行日 2023年8月1日
Published Date 2023/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei74_953
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は じ め に
『大腿骨頚部/転子部骨折診療ガイドライン2021(改訂第3版)』1)では,大腿骨転子部骨折の予後不良因子が新たに記載され,不安定型骨折や内反位整復などに並び「ラグスクリューの外側突出」 がその一つにあげられている.しかし,大腿外側部痛をきたす頻度や危険因子の報告は少ない.軽度の外側突出であっても術後の大腿外側部痛をきたすことがありうるが,本合併症の認知度の低さなどにより看過されるケースも少なくないと思われる.当科ではラグスクリュー外側の刺激症状が強い症例に対して,骨癒合が得られていれば短いラグスクリューへの入れ替え手術を行っているが,除痛効果が大きく患者満足度も高い.
本研究では,大腿骨転子部骨折に対する髄内釘を使用した骨接合術後の大腿外側部痛の発症頻度と危険因子について検討した.また,その治療方法について考察を加えた.
© Nankodo Co., Ltd., 2023