特集 医工連携による新たな整形外科治療
宇宙医学実験のロコモティブシンドローム治療への応用
志波 直人
1
1久留米大学 医学部整形外科学
キーワード:
Interleukin-6
,
運動療法
,
機器のデザイン
,
航空宇宙医学
,
骨密度
,
大学
,
大腿筋
,
電気刺激
,
筋収縮-等尺性
,
Lactic Acid
,
私企業
,
ヒト成長ホルモン
,
治療成績
,
トルク
,
変形性膝関節症
,
筋力
,
随意運動
,
上腕筋
,
装着型アシスト機器
,
多部門連携
,
ロコモティブシンドローム
,
作業性筋肥大
Keyword:
Intersectoral Collaboration
,
Exoskeleton Device
,
Aerospace Medicine
,
Equipment Design
,
Exercise Therapy
,
Electric Stimulation
,
Isometric Contraction
,
Universities
,
Interleukin-6
,
Bone Density
,
Treatment Outcome
,
Lactic Acid
,
Private Sector
,
Human Growth Hormone
,
Torque
,
Osteoarthritis, Knee
,
Muscle Strength
pp.516-522
発行日 2017年5月19日
Published Date 2017/5/19
DOI https://doi.org/10.18885/J00282.2017248445
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はじめに
加齢により筋肉や骨は1年間に1%程度萎縮する が,ベッドレストなど活動性低下による廃用性萎 縮はさらに著しく,筋は1 〜2日で,骨は1カ月で1% 程度萎縮する1),2)。宇宙飛行士の筋骨格系は,無重 力により力学的負荷・メカニカルストレスが大幅 に減少することにより,さらに著しい廃用性変化 をきたすことが知られている。2010年のEuropean Working Group on Sarcopenia in Older People (EWGSOP)のコンセンサスで,宇宙飛行士に起 こる筋萎縮は廃用性筋萎縮として,二次性サルコ ペニアに分類されている3)。 国際宇宙ステーション(International Space Station;ISS)では,宇宙飛行士の健康維持や筋骨 格系廃用性萎縮予防目的で,有酸素運動には無重 力で使用できる特殊なトレッドミル(Treadmill 2;T2),エルゴメーター(Cycle Ergometer with Vibration Isolation and Stabilization System; CEVIS), 抵抗運動には改良型抵抗運動器 (Advanced Resistive Exercise Device;ARED) など大掛かりな装置を用いた運動が行われている4)。 今後計画されている火星探査では,より狭い宇宙 船内で片道6カ月以上の長期間の運動を必要とす るが,従来のトレーニング装置は大型であり,小 型の宇宙船では使用できない。
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