特集 間葉系幹細胞治療の現状と課題
扉
山下 敏彦
pp.1328-1328
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000634
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再生医療が,現代において最も注目と期待を集める医療分野であることは間違いありません。多分化能,自己複製能を有する「幹細胞」はまさに再生医療の主役だといえます。なかでも間葉系幹細胞は,生体内の各組織に存在し,採取が比較的容易であること,遺伝子導入などの操作が不要であることなどから,広く再生医療の研究・臨床に用いられています。現在,難治性疾患の克服に向けて多くの有望な基礎的・臨床的研究が展開されている一方,効果や機序が不明確な治療が安易に行われているケースも散見されます。まさに玉石混淆の状態で,一部では社会的・法的な問題も引き起こしています。今後は医療者が正しい知識と認識を有し,真に有効・良質な再生医療が患者さんに届けられるよう,医療や社会における環境・制度が整備されていくことが望まれます。
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