高齢者の関節リウマチ治療

Management of elderly rheumatoid arthritis

要旨：関節リウマチ（RA）の発症年齢は高齢化しており，早期の高齢発症RAを日常診療で診断する機会が今後増えてくると考えられる。大関節からの発症や抗CCP抗体陰性例があり，リウマチ性多発筋痛症との鑑別に注意が必要である。早期から高疾患活動性となり関節破壊が進行しやすく分子標的薬による治療が必要となる病型と，比較的関節破壊が進行しにくく抗リウマチ薬への治療反応性も良好な病型がある。疾患活動性を制御し身体機能を維持させることが高齢RAの予後を改善させると考えられる。合併症が多いことが高齢RAの特徴であり，合併症の管理と感染症対策も，治療を実践するための重要なポイントになる。