特集 整形外科医に役立つ高齢者リウマチ性疾患の知識
扉
田村 直人
pp.898-898
発行日 2018年7月1日
Published Date 2018/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000534
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日本の少子高齢化により,リウマチ性疾患においても高齢者を診療する機会が増加している。高齢者では,臓器機能や代謝内分泌機能が低下しており,薬物代謝も低下するため,重篤な副作用が起こりやすい。また高血圧,糖尿病など様々な疾患の併存頻度が高くなり,心血管系イベントや悪性腫瘍や,その他の予期せぬ併発症も少なくない。加齢に伴う免疫機能,特に抗原特異的な免疫応答である獲得免疫能の低下は易感染性をもたらす。さらに,筋骨格系や運動神経の老化により運動能力は低下し,転倒や骨折を起こしやすい。これらの感染症や骨折の危険性はステロイドをはじめとする治療薬によりさらに増大し,積極的治療を行う上でのジレンマとなる。認知症も大きな問題であり誤薬やアドヒアランス低下を招く。高齢者ではこのように様々な問題があるが,そのなかでリウマチ性疾患をどのように速やかに診断し,フレイルに陥らないようにマネジメントできるかが重要な課題となっている。
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