特集 脊椎関節炎の診断と治療
乾癬性関節炎
多田 弥生
1
1帝京大学医学部,皮膚科学講座
キーワード:
Psoriatic arthritis
,
Biologics
,
Comorbidities
Keyword:
Psoriatic arthritis
,
Biologics
,
Comorbidities
pp.1459-1468
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000206
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乾癬性関節炎は国内では乾癬全体の15%程度を占めるとされ,決してまれな疾患ではない。乾癬は関節炎のほかには,メタボリックシンドローム,ぶどう膜炎などの併存疾患を伴いうる。皮疹面積が広い,爪症状,頭皮症状,殿裂部や肛門周囲の皮疹を有する乾癬患者は関節炎を伴いやすい。診断にはCASPAR 基準が頻用されており,骨びらんと骨増殖像が混在する骨X線所見が特徴的だが,早期診断にはMRI がより有用である。関節炎の治療にはNSAIDs,抗リウマチ薬,生物学的製剤があるが,骨破壊進展抑制の明らかなエビデンスを有するのは生物学的製剤のみである。良好な予後のために,骨破壊から機能障害を生じるような疾患活動性の高い症例の超早期からの関節炎の検出,定期的な病勢の評価を行うことの重要性が注目されている。
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